年頭所感

                        愛知県左官業組合連合会 会長 横井良彦


 平成三十年の新春を迎え謹んで新年のご挨拶を申し上げます。組合員の皆さまには旧年中は各支部を通じまして愛左連の各種事業にご理解、ご支援賜りました事に厚く御礼申し上げます。

 昨年は各国において保護主義色が強まる中、米中間の貿易摩擦とその影響が各方面で現れてきました、国内経済におきましては消費増税による混乱と影響が懸念されておりますが、来年の東京オリンピック・パラリンピックに続いて大阪万博の開催決定と大きな期待感を含め堅調に推移しました。身近なところで愛知県内におきましても2026年愛知名古屋アジア大会、2027年リニア中央新幹線開通と大きなプロジェクトだけでなく住宅着工件数並びに建築物着工床面積ともに増加し、中部圏として観ても建設投資額は堅調に推移していると言われております。町屋、野丁場ともに出件時期に波はあるものの概ね良好な受注環境に恵まれると言えます。その中で私たちの一番の懸念材料は左官職人の絶対数の不足です。 

 近年、組合およびその周辺での話題は ・賃金アップ、単価アップ(常傭、請負共) ・社会保険加入 ・建設キャリアアップシステム ・4週8閉所に向けた働き方改革とそれに付随する生産性向上等があります。個別に議論されるケースが多いようですが、その際必要な事は「何の為」という目的を理解することと考えます。外国人労働者の雇用拡大の話もありますが、将来その人たちを指揮・指導するであろう基幹技能者候補たる日本人の若い担い手の確保・育成が最優先に考えられなければなりません。労働市場においては他の産業との人材獲得競争は一層激化します。その中で優秀な人材を確保・入職してもらう事を念頭に議論される事を期待します。近年言われる3?は「給与」「勤務地」「休日」ということはご存知かと思います。私たち左官を含む建設業は「勤務地」については大きなハンディキャップを負っています。それ故製造業と同レベルの休日と社会保険加入の環境を確保し、他産業以上の賃金を提供するために何が必要か議論し共に模索しなければなりません。兎角批判の多いキャリアアップシステムについても私たちの業界に目を向けてくれる人たち(本人並びに保護者、教師も含めて)にこの仕事で高い所得を得るにはどのようなキャリア(資格も含めて)が要るのか、分かりやすいステップを示さねばなりません。次世代の担い手確保を最重要課題と捉えて働き方改革やキャリアアップシステムについての話し合いを進めて行きたいものです。

 本年は技能五輪国内大会が私たちの愛知県で来年と合わせて2年連続で開催されます。前回の愛知大会では左官競技において愛知県選出選手が見事優勝されました。今回も前回同様の好成績が期待されます。また開催県としましては運営についても他県に負けない競技環境を提供したいと考えます。「選手の競技力強化」「運営支援」いずれにしても多くの課題があるかと思います。これらへの対応として本年は準備委員会の設立を企画しております。競技力強化・運営支援とも組合員の皆さまのお力をお借りしたいと存じます。

 また昨年3回目の開催となりました「合同体験フェア」や毎年開催されております「あいち技能プラザ」等イベントやワークショップにつきましては野丁場会や青年部の皆様のお陰で好評を得る事ができました。本年も昨年同様開催が計画されておりますので引き続きお力添えをお願い致します。技能検定については名古屋、三河両会場で一級から三級まで61名の受験者と技能五輪予選会参加者5名を加え合計66名の参加となりました。準備を含めてご尽力頂いた組合員の方々に厚く御礼申し上げるとともに本年も一層のご協力をお願い致します。

 これらの事業以外に漆喰をはじめとする塗り壁PR、左官技能を生かした職域拡大等担い手確保と彼らが活躍できる舞台を共に考え、実現するため組合員の皆さまと歩んでまいる所存です。皆さまに置かれましては昨年以上にご理解ご協力をお願い致します。最後に皆さまとご家族のご健勝とご多幸を祈念申し上げて年初の挨拶とさせて頂きます。


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