階段みぞ定木はり

 溝が仕上がれば、次は階段の段を仕上げるための定木はりです。

1.
溝に墨を打ちます。
   溝の仕上がり幅に合わせて、一番上の段と一番下の段の角にえんぴつで印を付け、墨つぼを使い墨をはじきます。 この時、立ち上がり側の上角あたりに、墨さしで縦に少しだけ印を付けていれば、作業日が後になっても、墨は、はっきり分かります。(ここでは余談てすが、階段の壁の塗り仕上げの場合の仕上げ墨は、必ず立ち上がり側の上角に印を付ける方法を使います。この作業は、段の天場に、ゴミや壁を塗った時に落ちるモルタルにより仕上がりの墨が消えてしまわないためです。)

2.立ち上がり側に振りを、水平器を使い一段ずつえんぴつで書いていきます。

3.立ち上がり側の定木を切り合わせます。 又は切り合わせ糊で張り付けます。
   溝の切り付けに定木を立て、一段上の角の所にえんぴつで印を付け、その印の所をノコギリで切ります。この作業を各一段ずつ繰り返します。(一段ずつ微妙に長さが異なるためです。)

  上の図では、クギで止めてありますが、化学糊を固く練った物で張り付ける方法もありますが、モルタルを塗り付けた時、又は雨などで溝が濡れた時は、固まった糊が戻り、定木がぐらぐら動く箇所が出来ます。この場合は階段を塗り付けて、あたまをはる時、ずらして直します。 (注意点 : 化学糊に接着剤を少し混ぜれば糊は固くなりますが、溝に使用した定木の再使用は出来ません、そのほか溝に付いた糊も取れにくく、糊の跡が残り消えにくくなるので、接着剤を混ぜる事は、すすめられません。)

  定木の代用として、12mmのかたころび目地棒を使うと作業しやすいようです。 この場合目地棒のとがった箇所が階段側仕上がり表面角になるよに張り付けます。目地棒のころび方向には気を付けて下さい。
   
4.溝の天場に張り付ける定木を切り合わせクギで止めます。 又は糊で張り付けます。
   この作業も一段ずつ切り合わせて下さい。
   切り合わせの時、階段仕上がり角より長くならないよう注意して下さい。 これは階段を塗り付けてから定木を打ち返す時じゃまになります。又はモルタル詰め込み作業時の詰め込み用板が当たり、立ち上がり側にすき間が出来るため、詰め込んだモルタルが外へはみ出してしまいます。

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