階段の墨だし

  階段を塗る前に、階段の墨を出しましょう。

  自分で階段の墨を出さなければいけない時が必ず来ます。 また、階段に壁がない場合階段の型を作って塗らなければなりません。

 一階分の高さは、階により異なる場合があるため、現場監督さんから、階段の墨を出すための図面のコピーをもらえばわかります。


ここでは、仮に 一階分の高さが、2800mm。
          一段分のたかさが、200mm。 
          一段分の幅が、270mm。( けこみのころび 20mm )
          として墨を出します。
 

.  廊下の土間墨から、階段の登りと下りの一段目の角までの長さをそろえた所に印をつけます。
     階段により登りと下りが一段分ずれている場合がありますが、その場合は1段目と2段目の角をそろえ印をつけます。

.  レベル墨より廊下側階段仕上がりまでの高さを計り印をつけます。上り階段の方は下り階段廊下仕上がりより、一段分(200mm)上がった所に印をつけます。
     レベル墨 (FL+1000)は、一般に部屋内土間仕上がりより1000mm高い墨です。
    外階段の場合、水を流した時、廊下の水が階段に流れないように、廊下の溝に水が流れるよう高さにも気をくばります。
    内部階段の場合、廊下の仕上がりの高さで水こうばいは、考えません。 

.  一段目の角から6段分にあたる1500mmの所に、下げ振りをおろし墨を打ちます。

.  3で打った墨を使い、2で出た長さと、6段分にあたる1200mmをたした長さを、レベル墨より計りしるしをつけます。これより200mm下がった所が、踊り場の仕上がりです。

.  廊下仕上がり角と4で出したしるしの間が1920mmになっているか確かめてから墨を打ちます。
     この1920mmというのは、三角形の直角の出し方a²+b²=c² を使い、200²+250²= c²
4000+62500=102500 この102500を計算機でルートを押すと320.15621が出ます。
この320が一段分の斜めの長さです。これに6段分かけて320×6=1920です。

6.  5で出した、斜めの墨に320mmずつの所にしるしをつけます。  それから、高さ200mm、 幅250mmと、けこみのころび20mmたした270mm 斜め320mmの型を薄ベニア板で作ります。  下の図では、黒い部分です。

7. 作った型を使い、斜めの墨のしるしに、型の角を合わせて、一段分ずつ型に沿って書いていきます。


 ここで説明した以外にも、けこみのころび分ずらし、一段分の高さずれた所に斜めの墨をもう一本斜めの墨をうつ方法もありますが、ここで説明した方法は、図面を書く時使う方法で覚えていれば、ほとんどの階段で使えます。 ただ、現場によりコンクリートのハツリが出ないよう、一段分の幅を変えたり、ひとながれだけ高くしたりする事もありますが、これはあくまで逃げ仕事です。もし階段に手すりを付ける場合などは、手すりの上下の通りが合わなくなったり、階段の型をたくさん作らなければならなかったりするので、すすめられません。
 
 壁のない階段の場合ひとながれ分の型を、7mmベニア板で作り、左右の水平と出を確かめながら階段の横面に釘で打ち止めます。



一般によく使われる方法


階段の一番上の段角と、一番下段角を決め、その角に下げ振りを下ろし、一段分の高さ200mm上がった所から、横水平にけこみ分20mmずれた所を出します。

上の仕上がり角と下の仕上がり角、上のずれた角と、下のずれた角を墨糸ではじき、その間を等間隔に割り印を入れます。

出した印から印を階段の方へ、墨糸で一本一本引き延ばし墨を打っていきます。

一番下の階段型になった墨が仕上げ墨です。



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