コンクリート打ちっ放し仕上げ
コンクリート打ちっ放し仕上げ、化粧仕上げとも言いますが、この作業については、色々な専門的な本も、沢山出ていますし、実際の所、僕は専門知識を持ち合わしてはいません。はっきり言って、ここで書くことそのものが、はずかしい気もしますが、あえて実務作業らしき事を書きたいです。
まず、セメントと白セメントの割合ですが、これは、仕上げの撥水剤(コンクリート防水保護のための、透明又は半透明の材料)が、透明の物を使うか、半透明の濃い色を使うのか、又ジャンカ及び、まめいた(大きなピンホール)が多いのか、少ないのかによります。
どの程度綺麗にするかは、現場の作業金額に合わせる事も大切です。
ガレージのまめいた、モッコン埋め程度の作業に、必要以上の作業をしても、仕方ありません。
一般的な透明無色撥水剤の場合や撥水剤を塗らないでコンクリートそのままの場合、まめいた補修材料を、普通セメントを2に対し、と白セメントを3、くらいが綺麗なようです。
撥水剤が半透明使用や、ジャンカ及びまめいたが多いならば、普通セメント1に対し白セメント2から3、位が無難です。 これは、撥水剤の半透明の場合、コンクリートをかなり白っぽくしないと、撥水剤を塗った仕上がりが、黒っぽくなってしまいます。 又ジャンカのひどい所は、コンクリート目地にテープを張り、シゴキ仕上げになりますが、 この時、普通セメントが多いと、仕上がりが黒っぽくなります。撥水剤塗り前にペーパーをかければ少しは白くなりますが、全体に黒っぽく、回りの色と合いません。
作業場所が、地下トンネル内など湿度の多い場合は、まめいた補修材料を、普通セメント1に対し白セメント5、位の割合で作業して下さい。 これは地上と同じ材料では仕上げ乾燥後の色が黒くなり補修した箇所がはっきりとわかる為です。
ここでは仮に、透明無色撥水剤仕上げで、まめいたジャンカ、それにコンクリート表面に、こぶの多いコンクリート下地とします。
1.ペーパーを付けたサンダーを使い、壁全体のこぶを取り除くように、まんべんなくすります。(綺麗なコンクリートの場合、きめの細かいペーパーを付けたサンダーでこするか、けれんだけで済ませます。)
2.ジャンカなどひどい所は、薄塗り材料の30番に白セメントを少量加え、接着剤を少量加えた材料、又はモルタルに白セメントを少量加えた材料を塗り付け、少し乾いてから、コンクリート下地に合わせてペーパーですり落とします。これは、塗り付ければ必ずコンクリート下地より高くなっているためです。 塗った所は完全に乾燥するまでは次の作業に進めません。半乾きで次の作業に移っても、仕上げで色がぼけてしまいます。
打ち継ぎ目地などは、白セメントの入った薄塗り材料で、段違いを直し、削り落としはしません。 後からミルクに化学のりを多めに加えた材料で補修し、継ぎとをペーパーですり、ごまかします。
下塗りにも必ず白セメントを加えて下さい。上塗りを塗っても、その後色を合わせるためペーパーでこすると、下地の黒い部分が出てきます。
モッコン穴で、見た感じ必要のない穴も、まれにあるので、この穴は埋めてしまいます。
3.トロ箱の中に普通セメントを1、白セメントを2の割合に、少量の珪砂8号を加え、よくから練りします。このから練りした材料を以下(ミルク)と称しておきます。
普通セメントと白セメントの分量は、小さめのバケツなど使い、できるだけきちんと計って下さい。
4.ジャンカなど見苦しい箇所を補修します。
まずコンクリートパネルの継ぎとに沿って養生テープを張り、その中を補修します
白セメントを加えた薄塗り材料の30番位で、1回目石を立てないように塗り付け、2回目の上塗りで仕上げます。 上塗り材料は、ミルクに化学のりを多めに加えた材料を使います。補修をした所にあるモッコン部分は綺麗にほじり取っておきます。
5.コンクリートの欠けや、大きめのピンホールを消す作業にはいります。
ミルクに少量の化学のりを加え、ペースト状に練ります。 この材料には絶対に接着剤は加えてはいけません、乾いてからペーパーでこすっても、塗った跡が消えません。
まずコンクリートの欠けや、大きめのピンホールの箇所に上で作った材料を、やや多めに塗り付けます。
塗った所が、乾燥してから、ペーパー台に取り付けたペーパーで、コンクリートのつらいっぱいまで、すり落とします、この時、ピンホール回りの余分に塗り汚れた所が綺麗に落ちない場合、ボロ布でこすり取りれば綺麗に消え、ピンホールだけが埋まっています。 この塗り付けた箇所は、その日の内に処理します、翌日では塗った所が固くなりすぎ、手間がかかってしまいます。
一般的なコンクリート表面には布ヤスリの80番を使用し、あまり力を加えずペーパーがけし、ボロギレ(タオルなど)でふき取るようにするといいでしょう。
コンクリート表面がつるつるにきれいな場合は、水ペーパーの1000番位などを使用する場合もありますが、コンクリート表面のアクなどは、アク取り剤を使用し水洗いするとよいでしょう。
6.コンクリートのあくなどペーパーでは落ちない箇所は、うすめた塩酸(希塩酸)にリン酸を2倍に薄めた液体を小量混ぜた材料又はあく専用洗浄剤を使いブラシで洗い落としてから、乾いた後、ミルクかけに入ります。
壁全体にミルクをまんべんなく、こすりこみます。
この作業は、片手にボロ布を持ち、バケツに入れたミルクをつまみ取り、ボロ布の上にのせ、それを壁に持っていき小さなピンホールが消えるように、こすりつけます。
この作業により、小さなピンホールや、サンダーをかけた跡も、かなり綺麗に消えてしまいます。
この作業時は、健康のため、マスクとゴム手袋は着用しましょう。
作業終了後は、下に落ちたミルクを、ゴミ袋に入れ、綺麗にほうきで掃除します。 下に落ちたミルクは、その日は、ただのセメン粉ですが、日をおくと、空気中の湿気を吸って、固まりになります。
7.最後にモッコン埋めに入ります。
モッコンの色は、コンクリートと同じ色にするのか、少し黒っぽくするのか、又モッコンの深さは3mmか5mmかを、現場でよく相談し決めます。 モッコン埋め作業の一週間位前(これは材料の乾燥期間を考えての事です)にモッコンの見本を10種類位作っておくと決めやすいでしょう。
少し黒っぽくするのであれば、普通セメントを2、白セメントを1
同じ位にするのであれば、 普通セメントを1、白セメントを2
少し白っぽくするのであれば、普通セメントを1、白セメントを3〜5、の割合に割れ防止のため珪砂5号〜8号位を少量混ぜ、よくから合わせをし、手でその材料を握って見て、形が崩れない程度に、少しだけ水を加えて練り、モッコン材料を作ります。
冬場などの季節には、この時に加える水に接着剤を少量加えた水を使用すると材料が固くなりいいでしょう。この水を使用する場合は、見本すべてに、この水を使用して下さい。これは接着剤を加えて練った材料と、水だけで練った材料とでは乾燥後の色が若干異なるおそれがあるからです。
埋め方は、バケツに入れた上の材料を、ジュースの空き缶、又はパイプなどを二つに割った様な物を、自分で作り、それに材料を入れ、モッコンの穴に持っていき、金物屋さんで市販されているモッコン埋め用のつまみの付いた金具を使い、穴の中に材料を詰め込み、コンクリート面より 3mm位か5mm位のどちらかに統一した中の所で押さえ込みます。
モッコン埋めを、最後にする理由は、初めにモッコンを埋めてしまえば、ペーパー作業やミルクかけにより、モッコン下部分に余分な汚れの粉が積もってしまい、掃除をしなければ見ばえが悪くなってしまうからです。
まめ板、モッコン埋め程度の仕上がりのコンクリートには、モッコン穴の中に、セパ筋のない、浅いモッコンの場合がありますが、この場合、上のモッコン材料を使用する場合は、モッコン穴にハケで水をかけ、湿っているうちに詰めていきます。 又は薄塗り材料の30番を、普通に塗る位の水気のある堅さに練り、この材料で埋め、少し乾いた頃にモッコン用金具で押さえます。
左官作業は一般にここまでで終了です。
補修した所をもっと素地らしくしたい場合、補修した所を養生テープで囲い、コンクリートの肌の色と同じくらいの色になるよう、色粉を混ぜ合わせ、少量の接着剤を加えた水で練り、ハケの代わりにスポンジ又は、かねたわしのようなものを使いでコンクリート面を、ポンポンとたたくように色をつけて、回りの素地と同じように見えるようにします。 一回でだめな時は、一回目が乾いてから二回目、二回目が乾いてから三回目と作業を繰り返して下さい。
柄や、絵を書きたい場合、水性アクリルエマルジョン塗料を使用し、好みの色を使いハケで塗って下さい。
8.コンクリート表面に撥水剤を、はけとローラーを使い塗り付けて仕上がりです。